睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠中に呼吸が停止する、もしくは低呼吸になると、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)が疑われます。無呼吸・いびきを繰り返すと熟睡できずに何度も目が覚めてしまい、日中の眠気、集中力の低下、疲労感などの症状が現れるようになります。また心臓や脳、血管に負担をかけることで、心筋梗塞、脳卒中、高血圧などを発症するリスクが高まります。SASの大多数は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)です。これは肥満が原因で首回りに脂肪がついている、扁桃が肥大している、舌が大きい、もともと顎が小さい等よって気道が閉塞し無呼吸となる疾患です。
検査について
SASが疑われる場合には、簡易装置による検査を行います。手の指や鼻の下に付けるセンサーを装着して眠ることでいびきや呼吸の状態を確認します。使い方は簡単で、ご自宅にて行います(装置については貸出です)。検査の結果、より詳細な情報が必要となれば、専門医療機関にて一泊の検査入院を行います。ここでは脳波検査なども合わせて行うことで、より正確な診断をします。
治療について
OSAと診断された場合は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)による治療を開始します。CPAP装置にある鼻マスクを装着してから眠りにつきます。これを使うことで圧力のかかった空気を鼻から送り込むことにより気道の閉塞を防ぎ、呼吸状態が改善するようになります。継続的に使用できれば日中の眠気や疲労感が軽減し、高血圧や不整脈への効果が期待できます。このほか肥満が原因であれば、生活習慣を改善するなどして、適正体重に努めるようにします。一方、軽度なOSAであれば歯科で専用のマウスピースを作製し、顎の位置を変えることにより改善効果が得られることもあります。